今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、メンテナンス現場を支援するデジタルサービス「Qosmos」を運営しているBPM株式会社様です。

現場からのメンテナンスデータを収集し、最適なメンテナンス計画、高効率作業、管理コストダウンの実現を支援するサービスで、内装請負として創業したBPM株式会社様ならではの経験と視点が存分に生かされています。

住宅や工場など、メンテナンスに関わるすべての方に、ぜひ最後まで読んでいただきたいインタビューです。

メンテナンス現場を支援する「Qosmos」の公式サイトはこちら⇒

BPM株式会社様へのインタビュー内容を紹介します

それでは早速、「BPM株式会社様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。

Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず最初に、Qosmosの概要について簡単に教えていただけますか?」

Qosmosは、メンテナンス現場スタッフの声から生まれた、作業・報告管理デジタルサービスです。

誰もが使いやすいデジタルサービスで、現場でしか集められないメンテナンスデータを収集し、最適なメンテナンス計画、高効率作業、管理コストダウンの実現を支援します。

まだまだ紙での業務が残り、決してITリテラシが高いとは言えない業界の現場において、無理なく少しずつデジタルに置き換えることができる「やさしいDX」を標榜しています。

Q2.「BPM株式会社様は設立から10年経っていますが、Qosmosをスタートしたきっかけ・経緯は何ですか?」

2011年の創業当初からしばらくは内装請負を専業として、当時から首都圏の賃貸管理会社様を中心にお取引をさせていただいていました。

実際に退去立会、原状回復工事、入居中の修繕対応などの業務を10年間最前線で行ってきています。

ただ実は、当時の創業メンバーに建設・不動産業界での就業経験を持つモノは皆無でした。

そんな”外の世界”から来た私たちが日々現場に出る中で感じた業界のレガシーな商慣習に対して感じた「非効率を解消したい」という想いから、システム開発に着手することになりました。

開発当初は社内用ツールとして、弊社が請け負う工事の関係者(弊社従業員に加え、外部の協力業者約100社)で活用をはじめました。

その後、提携企業でのPoCなどを経てブラッシュアップを重ね、2020年4月に正式リリースいたしました。

Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。BPM株式会社様は内装業も引き続き手掛けていらっしゃいます。内装業の経験もシステムに活きていますでしょうか?」

もともとは自社業務の改善という側面もありましたので、今でも施工チームはQosmosを使って日々の業務にあたっています。

すぐそばに「一番Qosmosを使いこなし、かつ生の声をフィードバックしてくれる」存在がいるというのはこの上なく心強い体制です。

何より不動産業界にご提案させていただくと、「”当事者”が開発しているサービス」として評価いただくことが多々あります。

「わかってるねぇ」「これならうちの人も使えそうだ」といったお言葉をいただくと、我々がこのサービスを作る意義を強く感じます。

実際のユーザーに寄り添った設計など、Qosmosにしか出せない色があると思っています。

Q4.「国内初のメンテナンス現場を支援するクラウドとしています。具体的にどの部分が国内初なのでしょうか?」

聞きなじみの薄い言葉かもしれませんが、Qosmosは「CMMS(設備保全管理システム)」と呼ばれるシステムに分類されます。

手前の作業報告や、それに伴う帳票作成といった事務作業やコミュニケーションの改善はもちろんのこと、データを体系的に蓄積、解析することによる建物や設備の故障予知、予防保全に寄与する役割を担えるシステムとして開発を進めています。

“国内初”と称しているのは、オンプレミス型で大企業向けに個別開発で提供されているケースは散見されているものの、クラウド型のソフトウェアSaasとしてのCMMSを打ち出しているサービスが現状他に見当たらないためです。

海外ではいくつかSaas型のCMMSが普及していますが、国内において「企業規模等に依らずサービスを広く使っていただき、予防保全の考え方を普及できる」可能性があるのはQosmosであると自負しています。

Q5.「システム化やDXは、事業者側にもシステムに長けている方がいないと挫折しがちになります。挫折しないDXとして工夫している点はありますか?」

推進力があり、デジタルツールの扱いに長けたご担当者様がいらっしゃると、導入までの意思決定が早いことは言うまでもありません。

しかしそこから先、いざ実際のユーザーとなる現場に落とし込むという段階で苦労するというケースが非常に多く見受けられます。

弊社の施工部門でも以前は同じような現象が起こり、なかなか社外の職人さん、協力業者さんの活用定着率が上がってこないという悩みがありました。

そこから私たちのサービス設計の視点は一貫して「いかに現場に使ってもらうサービスにするか」というところからブレていません。

具体的には「現場側(スマホ)はアプリではなくブラウザ駆動にすることによりダウンロード等を不要にし、利用ハードルを下げる」「画面設計の検討も、常にリテラシの高くない職人さんを想起して立ち返る」「ユーザー向けのマニュアルを拡充し、初期のオンボーディングを手厚くする」など、現場ファーストの考えはBPM社内での役割に関わらず皆に根付いています。

Q6.「導入実績があれば教えてください。また導入の反響もあればお聞きしたいです」

2020年4月の正式リリースから1年あまりで、現在は250社を超える企業様にご活用いただいています。

導入企業様の中には「時間がかかっていた管理業務の事務作業が10分の1ほどに圧縮された」「作業報告先のクライアントからの満足度の指標が2.5倍と大幅に改善された」などのお声をいただいております。

Q7.「具体的にどのような業務フローをクラウド化できますか?料金体系についても簡単に教えてください」

基本的にはメンテナンス業務全般をデジタルに置き換えることができるようになっています。

賃貸管理会社様での活用例を挙げると

  • 退去立会の精算内容報告
  • 現地調査報告
  • 施工写真報告
  • 募集図面写真回収
  • 定期巡回、日常清掃報告

など、多岐に渡る業務をQosmos上でデジタル化しています。

お客様からの「この業務を効率化したくて…」というご相談にも、都度個別に応じています。

料金については初期費用、月額料金を、活用ケースや事業規模に応じてお見積りさせていただきます。

特徴としては、ユーザー単位(ID)やストレージ、活用頻度による変動がない固定制であることです。

変動要素を気にしながらの利用はそれだけでコストがかかってしまう「本末転倒」な状況を招きかねませんし、新規のメンバー、協力業者を素早く、躊躇なく追加できるような環境にしておかないといけないという、内装業としての私たちの経験に基づくポリシーです。

Q8.「同業他社のシステムに対して、Qosmosの強みや独自性を教えてください」

やはり「内装業としての現場業務とQosmos開発の”二刀流”」を現在進行で実現していることに尽きると思います。

それによって発揮できているQosmosの強みとしては

  • 誰でも使える、挫折しない「やさしいDX」の提供

「現場が使ってくれるのか」「社内にデジタル人材がいない」「今までのやり方を急に変えられるのか…」…企業様ごとにそれぞれ不安があるかと思いますが、Qosmosはデジタル化の「無理のない1歩目」を踏み出す支援をさせていただきます。

  • メンテナンス業務に特化した「未来志向」のシステム

紙業務のデジタル化、コミュニケーションラインの一元化、報告書作成時間の圧縮といった短期的な効果はもちろん見込めますが、Qosmosの本質はそれらの履歴をデータとして体系的に蓄積し、故障予測や設備交換のアラートといった「予防保全の自動化が」が当たり前になる世界(根本的にメンテナンスコストを下げ、建物や設備の寿命を延ばす)の実現という中長期的な視点にあります。

  • 他サービスとの連携・共存が利く互換性

Qosmosはkintoneのオフィシャルパートナーとして認定されるなど、多くのシステムとの連携・共存を前提とした導入経験が多数あります。Qosmos自体はシンプルな設計をしていますが、より高度な活用を希望されるお客様には他サービスとの連携提案を行っています。

Q9.「具体的なBPM株式会社様の将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」

ビジョンとしては、既存の建物の経年劣化が進む中で、建物の長期的なメンテナンスコストを下げ、サステイナブルに機能させることです。

そして、建物や設備を中心としたコミュニティを豊かにしていくプロダクトを提供することを目指しています。

建物のメンテナンスに関わるステークホルダーは、オーナー、管理会社、住人、現場の職人、資材メーカーなど多岐に渡ります。

これらステークホルダーの「不」を解決していくサービス、というのが主なコンセプトです。

例えば、オーナーは、所有する建物に適切なメンテナンスを行うことが市場価値を維持するために重要なこととなります。

メンテナンスが行き届いている建物は、住人も快適で住みやすい。

職人さんは「建物の不調を治す専門職」と捉え、新しい働き方や選択肢を提供したいです。

ステークホルダーそれぞれにとって「より良い持ち方、住み方、直し方」を提供して、建物に関わるすべての人に喜ばれるハブを目指します。

Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」

Qosmosは管理業務、報告業務の効率化にとどまらず、中長期的なメンテナンスコストの低減にも寄与できるサービスです。

医療と同じで、何か起きた後ではなく、何かが起こる前に適切な処置を施すことが効果的と考えています。

ともに「建物・設備の予防保全、延命化」を実現していきましょう。

Qosmosは無料での操作体験を実施しているほか、こちらの記事をご覧いただいた企業様向けの特典もご用意しております。

まずは皆様の業務課題をお聞かせください。

現場経験のあるメンバーがお悩みに寄り添い、Qosmosを通じて解決策を導けるよう尽力いたします。

BPM株式会社の会社情報

会社名 BPM株式会社
所在地 東京都渋谷区本町2丁目27-1
一二三薬局ビル2F
代表取締役社長 桐原 康輔
公式サイトURL https://bpm-gr.co.jp/

最後に

今回は、「Qosmos」を提供しているBPM株式会社様のインタビュー記事を紹介しました。

自社の業務改善から始まり、内装業との二刀流だからこその知見を生かして、システムを改善し続けていく姿勢が非常に魅力的でした。

今後も現場の声を最大限に生かしながら、唯一無二のシステムとして成長し続けていくのではないでしょうか。

今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからQosmosの公式サイトをチェックしてみてください。

Qosmosの公式サイトはこちら⇒

BPM株式会社様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!