投資家歴10年の個人投資家。ベンチャー企業の役員も務める。慶應義塾大学在学中に株式投資を始め、米国から新興国まで含んだ世界中の株式投資、債券、不動産、コモディティまで幅広く運用中。
2014年から不動産中古ワンルームマンション投資、2017年からロボ投資、2018年からソーシャルレンディング、不動産投資クラウドファンディングも開始し、現在も継続中。
土地の有効活用の一つであるコインランドリー経営は、近年では本家のアメリカより、日本の方が、一人当たりの店舗数が多くなりました。
アメリカでは9,000人に1台と言われている中で、日本は6,700人に1台と言われており、年々供給が増えています。
そんな人気のあるコインランドリー経営ですが、インターネットで調べてみると、経営している方から「難しい」「収益が出ない」などさまざまな厳しい意見が飛び交っています。
そこで今回ご紹介するのは、コインランドリー経営が厳しいと言われている理由の5つを紹介します。
これからコインランドリー経営を検討している方は本記事を読んで、事前にコインランドリー経営についての理解度を深めておきましょう。
目次
コインランドリー経営が厳しいと言われる5つの理由
コインランドリー経営が厳しいと言われる5つの理由とは、
- 開業資金の融資審査をクリアする
- 高利回りと聞いていたが、毎月の利回りにブレがある
- 大きな店舗にしたが稼働率が悪い
- 開業時に集客しなかった
- 24時間営業に伴うランニングコストの拡大
になります。
主に収益面に影響をもたらす点が厳しいと言われていることがわかります。
開業資金の融資審査をクリアする
コインランドリー経営の初期費用は決して安い価格ではなく、平均相場として2,000万円前後になります。
2,000万円を現金で投資する方もいらっしゃいますが、多くは金融機関からの事業用ローンを組んで投資していることでしょう。
事業用ローンは土地の担保評価、コインランドリーの事業性、申込者の年収や家計などを銀行独自の厳しいルールで審査するため、誰でも融資できるというわけではありません。
そのため、コインランドリー経営は気軽に始められるわけでもなく、融資審査をクリアした方のみが出来る投資ということでもあります。
高利回りと聞いていたが、毎月の利回りにブレがある
コインランドリー経営は15%や20%近くの高利回りとよく言われていますが、もちろん地域によって異なれば、時期によっても利回りは変動します。
利回りとは、投資した資金に対して、一年間で回収できる割合を表したものです。
利回り20%である場合、5年で投資額を回収できるということです。
一般的に賃貸アパートや賃貸マンションの利回りは5%~10%前後の投資物件が多く、それらと比べればコインランドリー経営は高利回りと言われています。
しかし実態は、都心部などの需要が高いエリアのみが高利回りに該当し、地方などの田舎では賃貸物件以下の利回りになることも多いです。
また、梅雨の時期などは非常に需要が高くなりますが、夏場などの晴天が多い時期はまったく稼働しないということも少なくありません。
つまりコインランドリー経営は一概に高利回り投資とは言えがたいうえ、毎月の収益に大きなブレが生じる投資ということにもなります。
大きな店舗にしたが稼働率が悪い
大きな収益も出したいという気持ちから、コインランドリーの店舗を大きくし、稼働できる機械を増やしたものの、需要に見合っていなかったという事例があります。
機械台数が多ければその需要に合った収入を得ることができますが、多すぎても稼働率が悪ければ、初期投資額を回収するまでの期間が長くなるだけとなり、厳しいコインランドリー経営をしている方もいます。
どのコインランドリー店舗を見ても、大型店舗というのは多くありません。
必ず地域のコインランドリー需要をマーケティングしてから店舗の大きさを決めるものです。
開業時に集客しなかった
コインランドリーを開業した際の集客活動を怠ったため、安定収入を得るまで1、2年を要したという事例があります。
開業したからといって、すぐに利用者が集まることは無く、「そもそも何屋なのだろう」という考えを持つのが一般的でしょう。
フランチャイズなどのコインランドリーである場合、企業の認知度が高いため、一目見れば分かりますが、近年のおしゃれなコインランドリーではカフェと間違える方も少なくありません。
そのため、開業時は近隣にお住まいの方に認知をしてもらうことが大切でしょう。
24時間営業に伴うランニングコストの拡大
コインランドリーを24時間営業している店舗もありますが、利用者ターゲットとしては深夜まで仕事したサラリーマンなどに絞られてしまいます。
そのため、地方などの田舎では需要が無く、ランニングコストだけがかかってしまう経営となってしまうでしょう。
厳しいコインランドリー経営を成功する3つの事前準備
コインランドリー経営が厳しいという理由を5つ紹介したところで、次はコインランドリー経営が厳しいと感じる前にできる事前対策3選、
- 需要と供給バランスを確認する
- 最小限の設備と大きさの店舗にする
- 広告宣伝を行う
を紹介します。
需要と供給バランスを確認する
コインランドリー経営を始める際は、そのエリアに需要があるかを調べましょう。
とはいえ、自身で調査するにしても、人口やコインランドリーの店舗数を調べるくらいしかないと思います。
そのため、コインランドリーメーカーに依頼し、市場分析をしてもらうことをオススメします。
プロの意見を参考にし、「コインランドリーの需要があるのか」「どれくらいの機械を供給するべきか」などを検討していく事で、安定した収益に繋がる要因となります。
最小限の設備と大きさの店舗にする
コインランドリー経営で大きな収益を得たい気持ちがあると思います。
しかし、利用者がコインランドリーを選ぶ理由としては、立地と料金になります。
立地はすでに決まっておりますが、料金は始める際に設定できることでしょう。
価格が安ければ利用者確保に繋がります。
とはいえ、初期投資費用が大きければ回収までの期間が長くなるため、最小限の設備と店舗の広さにして費用を抑えることが大切です。
コインランドリーの店舗をおしゃれにして最先端の機械を利用したとしても、利用者が選ぶコインランドリーの着目点とは異なるため、最小限のコインランドリー店舗の方が望ましいでしょう。
広告宣伝を行う
コインランドリー経営は開業時に宣伝することで、より早く集客することが可能となります。
開業時は何のお店かわからない方も多いです。
しかし、近所の方に広告宣伝することで認知度が高まり、集客につながり、収益を確保することができるでしょう。
コインランドリー経営が厳しくなった際の対応
上記の事前対策をしたうえでコインランドリー経営を始めたとしても、収益を含め厳しい状況となった際は、これから紹介する2つの方法で対応してみましょう。
差別化を図る
近隣にコインランドリー競合物件が出た場合、差別化を図って対策を取りましょう。
一番は料金になりますが、自身のコインランドリーの料金を下げてしまえば、相手も下げるようになってしまうことも考えられます。
そのため、他の方法を検討しておく必要があります。
近年では、コインランドリーで洗濯が完了した品を自宅まで届けるサービスを行ったり、靴の洗濯ができたりするコインランドリーも増えてきました。
他にもたくさんの差別化をする方法がありますので、自身で検討して見ましょう。
設備機器の売却を考える
コインランドリーが思ったより稼働しないという場合は、設備機器の売却を考えるのも一つの手です。
設備機器を保有しているだけで、月々のランニングコストがかかってしまうため、需要に沿わない台数は不要となります。
もちろん売却代金を見て検討する必要がありますが、将来的な収益を考えた際は、検討の余地はあるでしょう。
まとめ
コインランドリー経営が厳しいと言われている5つの理由と、対策方法を紹介してきました。
コインランドリー経営は始める前の市場マーケティング、初期費用投資額の検討によって成功するか否かが決まると言っても過言ではありません。
そのため、事前に対策や方法を検討することが非常に大切となります。
厳しいコインランドリー経営をしないためにも、分析を怠らず、慎重に始めるようにしましょう。