今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、賃貸オフィスの情報プラットフォーム「estie pro(エスティプロ)」を運営している株式会社estie様です。

日本で初めて、賃貸オフィスなどの商用不動産を網羅的なデジタルデータにしたサービスで、マーケットトレンドを分析するための機能も豊富に揃っています。

オフィス賃貸業務に携わるすべての方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。

オフィス賃貸業務を革新する「estie pro」の公式サイトはこちら⇒

株式会社estie様へのインタビュー内容を紹介します

それでは早速、「株式会社estie様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。

Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、estie proの概要について、簡単に教えていただけますでしょうか?」

estie proは、オフィスをはじめとする商業用不動産を扱うプロフェッショナルが必要な情報を1箇所で、いつでも、使いやすい形で閲覧・分析することができるサービスです。

オフィスをはじめとする商業用不動産市場には、網羅的なデジタルデータが存在しません。

そのため、ビルオーナーであっても競合となるビルの賃料や新鮮なマーケットの情報をすぐに手に入れるのは困難でした。

現在どのように情報がやりとりされているかというと、ビルの空室情報はビルオーナーから数百社の仲介会社にメーリングリストや定例会で通達されます。

仲介会社では受け取った情報を活用するために、自社の管理システムやエクセルに打ち込む必要がありました。

一方のビルオーナーは、マーケット状況や競合物件の成約状況等を把握するために、仲介会社と電話等の手段でコミュニケーションをとることが一般的でした。

双方で、欲しい時に欲しい情報がいつでも取得できる状況ではなかったわけです。

その課題を解決するのがestie proになります。

現在、デベロッパー、資産運用会社、プロパティマネジメント会社をはじめとした不動産関連事業者の皆様にご利用いただいております。

Q2.「次にestie proをスタートしたきっかけ・経緯を教えていただけますか?」

代表の平井は、前職の三菱地所でビルの営業や海外不動産の投資を担当しておりました。

その際、「海外不動産の投資に必要な情報は日本に居ながらにしても取得することができるのに、日本の物件情報を取得するには日本にいてもすぐに手に入れることは難しい」という経験がきっかけとなっています。

実際に、JLLが実施した不動産透明度調査では、不動産市場へのデータアクセス指数が日本は先進国内で最低基準でした。

米国や欧州はもちろんですが、中国、韓国、インド、南アフリカといった国々よりも、日本の不動産マーケットは情報が不透明なわけです。

その一方で、商業用不動産の市場規模は世界3位、都市別では東京が約80兆円の市場で世界1位です。

世界最大都市の東京を擁する日本には、データやデジタル技術の活用による改善余地が大きいと考え、estie proというサービスの提供を開始しました。

Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。競合サービスと比較した際のestie proの強み・優位性を教えてください。」

我々は、日本には明確な競合サービスは存在しないと考えています。

似たようなサービスとして、募集中のオフィス物件を検索することができるwebページ等は存在しますが、estie proでは建物名称や竣工年、貸主情報といった建物の基礎情報だけではなく、全国7万棟/40万フロアを超える建物情報、500万坪の募集情報、24万件の賃料情報、都心20万件の入居企業情報等からなる網羅的なデータおよび、当社が独自開発したAIアルゴリズムによる推定賃料「e-賃料」を確認することが可能です。

我々は、50以上の不動産事業会社様から構築されたデータパイプラインによる独自情報を日々集約し、オフィス賃貸業等に必要なあらゆる情報を提供しています。

また、チームメンバーの中には不動産業界出身者がいるので、実際どのような業務で使われるものなのか、どのように整理されると使いやすいか等、実際に使われるシーンの解像度を高く持ちながら、サービスを作ることができています。

Q4.「掲載物件7万件以上と豊富なプラットフォームになっています。オフィス賃貸については都心を網羅していますでしょうか?」 

オフィス用途の不動産について、正確な分母を把握することはなかなか難しいのですが、我々の試算では都心5区において90%超を網羅しています。

Q5.「マーケットトレンドや賃料設定データなどをわかりやすく知ることはできますか?」

はい、実際にユーザーがよく使う機能のひとつでもあります。

例えば、賃料策定業務を行う際にはマーケットトレンドの調査が必要になりますが、estie proでは区単位やエリア単位だけではなく、自ら設定した任意のエリアにおける空室率等を把握することが可能です。

同様のエリアで、空室率だけでなく空室面積や将来空室となることが予測される潜在空室も把握することもできます。

募集面積と価格情報を時系列で定点観測することができるので、四半期や半年単位で供給される床面積の増減による、価格トレンドの変化を追うことが可能です。

マーケットにおける自社の物件のポジションをタイムリーに把握することができるので、自社の賃料策定業務や投資の意思決定など幅広いシーンでご活用いただいています。

Q6.「リサーチについてエリアだけではなく、より細かい物件の種類ごとや個別物件についても調べることはできますか?」

物件ごとのリサーチはもちろん、基準階面積や竣工年などで類似する物件を複数抽出し、それぞれの物件ごとのリサーチを行うことができます。

例えば、「渋谷駅から徒歩10分以内で2010年以降に竣工した、基準階面積が100坪以上のもの」など、自由に設定していただけます。

個別の物件を見ると、入居しているテナントの情報や募集区画の情報等を閲覧することができ、募集価格と募集期間の相関関係を把握すること等も可能です。

あわせて、直近リリースした過去募集機能では過去に募集終了した物件の情報を見ることができるようになりました。

これまで、過去の情報を追うことは困難だったのですが、新機能である過去募集区画を見れば、過去にどんな物件がいくらでマーケットに出ていて、それらが募集終了するまでにどのくらいの期間を要したかを確認することができるので、賃料策定業務をより戦略的に行うことが可能です。

Q7.「システムが苦手な業者でも使いやすいインターフェースでしょうか?直感的に使えるインターフェースやレポートなどがあれば特徴を教えてください。」

不動産従事者には馴染み深い地図上に物件をマッピングすることが可能であり、従来使用されている単語や切り口で使用していただくことが可能です。

また、ご利用いただいているユーザー企業とは、定例の打ち合わせの場での使い方のサポートだけでなく、新機能の情報や欲しい機能、業務で使うシーンの共有など密接な情報交換を行う場を設定いただいているので、安心して利用していただけるかと存じます。

Q8.「価格体系について初期コストは大きくかかりますか?月額制など可能な範囲で価格について教えてください。」

初期コストはかからず、不動産事業者様の業態によってご利用機能、人数に応じた月額でのご利用料金をいただいております。

Q9.「株式会社estieとしての、将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」

estieは「産業の真価を、さらに拓く。」というPurposeを掲げており、商業用不動産市場のDXを実現し、必要な企業が、必要な床の情報に、必要なタイミングでアクセスできる世界を作るために事業を行なっています。

オフィスは社会における価値創造の中心地であり、都市の競争力は国の競争力に直結しています。

estieが構築するデータプラットフォームを次の100年の産業インフラとして、商業用不動産市場の取引をなめらかにすることで、日本経済の再生に寄与していきたいと本気で考えています。

これこそが、不動産業界の持つ「真価」を拓いていくことだと信じています。

Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」

最近では、東洋経済さんの「すごいベンチャー100 2021」に取り上げていただいたり、ICCサミット「スタートアップ・カタパルト」で優勝させていただいたりと、少しずつ商業用不動産テックの面白さや、ビジネスインパクトの大きさを知って頂け始めていると感じております。

ですが、我々が目指している世界を実現するにはまだまだパワーが足りません。

estieでは業界出身者だけでなく、多種多様な業界からきたメンバーが現在活躍中です。

不動産業界面白そうだなと感じられた方や、大きく面白い課題を一緒に解きたいという方がいればぜひ一度カジュアルにお話しをしましょう!

求人情報はこちらから。

株式会社estieの会社情報

会社名 株式会社estie
所在地 東京都文京区本郷7丁目3番1号
東京大学アントレプレナーラボ(南研究棟)
代表取締役社長 平井 瑛
公式サイトURL https://www.estie.jp/corp/

最後に

今回は、「estie pro」を提供している株式会社estie様のインタビュー記事を紹介しました。

データと分析力を生かして、オフィス賃貸業務を力強く前進させてくれるサービスですね。

今後も不動産テックの領域だけにとどまらず、社会全体にインパクトを与えてくれるのではないでしょうか。

今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからestie proの公式サイトをチェックしてみてください。

estie proの公式サイトはこちら⇒

株式会社estie様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!