「資金ショートしたらどうしよう」

「資金ショートしたときの支払いの優先順位はあるの?」

このように悩む人は多いでしょう。

資金ショートすると、支払いができなくなり、黒字経営であっても倒産してしまうかもしれません。

この記事では、編集部が資金ショートしそうなときの改善策と、資金ショートしたときの支払いの優先順位についてお伝えします。

また、資金ショートしないために普段からすべきことについても解説します。

資金ショートしそうなときはどうする?5つの改善策

資金ショートしそうなときは、早急に改善策を講じることが重要です。

ここでは、資金ショートしそうなときの5つの改善策、

  • 現状の資金繰りを把握する
  • ファクタリングを利用する
  • 売掛金の支払いを早めてもらう
  • 取引先への支払いを遅らせる
  • 利益の見込めない資産を売却する

についてお伝えします。

現状の資金繰りを把握する

現状のお金の流れを把握できていないことで資金ショートは起こります。

売掛金の入金日や買掛金の支払日などを確認し、現状の資金繰りを把握しておきましょう。

資金繰り表を作成すれば、売掛金や買掛金、経費などのお金の流れがわかります。

また、資金繰り表を継続して作成することで、将来の資金不足を予想することもできます。

資金ショートしてしまう前に銀行から借りるなどの対応を取れるため、黒字倒産を防ぐことができるでしょう。

ファクタリングを利用する

早急に資金ショートをなんとかしたいという場合は、ファクタリングを利用することができます。

ファクタリングとは、支払期日前の売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうサービスのことです。

ファクタリングは最短即日で売掛金を現金化できるため、すぐに現金が必要なときに便利です。

銀行融資では審査に時間がかかり、融資を受けるのに数ヶ月かかってしまうこともあります。

ただし、銀行融資より手数料が高めに設定されていることや、初めての利用では審査に時間がかかる場合もあることに注意しましょう。

売掛金の支払いを早めてもらう

売掛金の支払いを早めてもらうことは、資金ショートを防ぐ改善策の1つです。

売掛金の入金期日が早まれば、手元の資金が安定するため、急な出費にも対応できます。

しかし、売掛金の支払期日は自社と売掛先の契約で定められています。

自社の判断で売掛金の入金を早めてもらうことはできず、売掛先に相談する必要があります。

取引先への支払いを遅らせる

取引先への支払いを遅らせることで、資金ショートを防ぐことができます。

売上の入金は2ヶ月先にもかかわらず、取引先への支払いは1ヶ月先の場合、手元の資金が不足してしまいます。

関係性が強い取引先であれば、支払いの猶予をしてくれるかもしれません。

しかし、信頼関係の浅い取引先に相談すると、今後の取引に影響する可能性があるため注意しましょう。

利益の見込めない資産を売却する

資金ショートを避けるため、利益の見込めない資産を売却するという方法もあります。

たとえば、過剰な在庫や在庫を保管する倉庫、不動産などの売却を検討しましょう。

在庫を抱え過ぎていれば、在庫を保管する倉庫代も増えてしまいます。

仕入れ量を見直したり、在庫を買い取ってくれたりする取引先を探すことが重要です。

また、不動産を売却し、リース料金を支払いそのまま不動産を使い続けるという方法もあります。

資金ショートしたときの支払いの優先順位

資金ショートをしたときには、支払いに充てるお金が不足する可能性があるため、優先順位をつけておく必要があります。

資金ショートしたときの支払いの優先順位について確認しておきましょう。

約束手形・小切手の支払いは最優先

資金ショートしてしまっても、約束手形と小切手は最優先で支払わなければいけません。

不渡りになると、全ての金融機関に不渡りの事実が知らされ、今後の借入が厳しくなるからです。

また、半年で2回の不渡りを出してしまった場合は、当座預金取引ができなくなってしまいます。

1回の不渡りですぐに倒産するわけではありませんが、社会的な信用は低下してしまいます。

そのため、1回の不渡りは「事実上の倒産」と言えるでしょう。

したがって、約束手形や小切手の支払いは最優先で行わなければいけません。

従業員への給料の支払いも重要

従業員への給料も優先して支払うべきものです。

給料日に給料が支払われないと社員の信用がなくなり、辞めてしまうかもしれません。

そうなると、事業経営がうまくいかなくなってしまいます。

よって、従業員への給料の支払いは優先順位が高いのです。

しかし、資金繰りが厳しく給料日に全額を支払えない場合は、給料の一部の支払いを待ってもらいましょう。

また、給料の未払いは法律違反となることも把握しておく必要があります。

資金ショートしないために普段からすべき2つのこと

黒字経営であっても、1回の資金ショートが原因で倒産してしまうかもしれません。

ここでは、資金ショートしないために普段からすべき2つのことについて解説します。

資金繰り表を作成し、現状を把握する

資金繰り表の作成をすることで現状の資金繰りを把握することができます。

資金繰り表とは、売掛金や買掛金、経費など会社のお金の流れを管理できるものです。

売上金がいつ入金され、支払いはいつなのか一目瞭然のため、資金計画を立てやすくなります。

また、資金繰り表では、将来の資金繰り状況の予測をすることも可能です。

そのため、資金繰り表の作成は、将来を見据えた資金繰りの改善をしていきたい経営者にもおすすめの方法です。

過剰な在庫を抱えない

過剰な在庫を抱えていたことが原因で、資金ショートしてしまうことがあります。

不要在庫を管理するための倉庫代がかかるなど、余分なコストが増えてしまうからです。

また、在庫が売れないと、仕入れたコストだけの利益を得られなくなってしまいます。

そのため、仕入れ量を適切に管理し、在庫を抱え過ぎないようにすることが重要です。

まとめ

今回は、資金ショートしそうなときの改善策や、資金ショートしたときの支払いの優先順位などについてお伝えしてきました。

この記事のポイントを6つにまとめると、次のことが言えます。

  • 早急に資金ショートをなんとかしたいなら、ファクタリングがおすすめ
  • 売掛金の入金を早く、取引先への支払を遅くすることで資金ショートを防ぐことができる
  • 利益の出ていない資産を売却し、コストを削減することで資金ショートを防ぐことが可能
  • 資金ショートしてしまったときに最優先すべき支払いは「約束手形・小切手」
  • 資金ショートしても、従業員への給料の支払いは優先しなければいけない
  • 資金ショートしないために、日頃から資金繰り表を作成しておくことが重要

たとえ経営状況が良くても、1回の資金ショートが原因で倒産してしまうかもしれません。

資金ショートしないためには、普段から資金繰り表を作成するなど、資金繰りが悪化しない対策が必要です。