「H’OURS(アワーズ)は不動産の決済事務を責任もって代行してくれるのか心配」
H’OURSの導入を検討しているものの、大切なお客様の売買取引決済を他社に任せてしまって大丈夫なのか、疑問や不安を持たれている仲介会社は多いです。
H’OURSを運営する「株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン」はその名の通り、日本版エスクローのサービス提供を主な業務としています。
エスクロー(Escrow)とは、不動産取引における権利移転の安全性を確保するためアメリカで発達した仕組みですが、日本ではあまり広がっていません。
日本で広まっていない理由は、国内では取引当事者間に信頼感があることや、仲介会社がきめ細かな仲介サービスを提供しているからです。
一方、仲介会社としては、煩雑な割に付加価値が見いだしづらい「決済・引渡し」業務がアウトソースできればかなり業務の効率化が図れます。
最近では電鉄系の仲介会社を中心に導入が進んでいますが、費用の公開情報はなく注意すべき点もあるので、よく理解しておくことが必要です。
そのため、この記事ではH’OURSのメリットや注意点など、詳しく説明していきます。

不動産業界の経験者やITなどに精通しているライターで構成されています。これまで、不動産×ITに関する100以上の商品やサービスを紹介してきました。不動産テックサービスの導入を検討している企業様や、不動産×ITに関する商品の利用を検討している個人の利用者様に向けて、出来るだけわかりやすく解説することを心がけています。
目次
H’OURSの評判・口コミは?実際に導入した企業の声を紹介!
予定した日に安全・確実に決済が実施され、しかも人件費等の費用も抑えられるということで、導入する仲介会社が増えています。
良い口コミだけでなく、悪い口コミも紹介していくので参考にしてみてくださいね。
H’OURSの良い評判・口コミ
まずは、H’OURSの良い評判・口コミを紹介していきます。



売主・買主・金融機関等との日程調整をやってくれたため負担が軽くなった。
特に繁忙期には非常に助かる。
H’OURSの悪い評判・口コミ
次に、H’OURSの悪い評判・口コミを紹介します。



H’OURSの強み・メリット3選
H’OURSの強み・メリットである、
- 決済取引にかかる時間と費用が削減できる
- クラウドシステムで、進捗が一目瞭然
- 確実な決済を約束する不動産取引保証で安心
について紹介していきます。
H’OURSの強み・メリット1.決済取引にかかる時間と費用が削減できる
決済日当日は大きなお金が動くため、万が一トラブルが発生してしまうと大きな損害になります。
仲介会社の社員にとっても、金融機関のローン契約の調整や登記書類のやり取り、決済会場の準備等はかなり神経を削られる業務です。
H’OURSを導入することで、これらストレスから解放され、より健全な職務環境を形成できます。
空いた時間を他の案件の営業活動に充当できるのも大きなメリットです。
H’OURSの強み・メリット2.クラウドシステムで、進捗が一目瞭然
第三者に決済を委託した場合でも、全ての段取りがH’OURSのクラウドシステムで「見える化」されているので、取引の進捗状況が一目でわかります。
決済取引のプロである司法書士が責任を持って取引を進めてくれますので、安心して当日を迎えることができます。
H’OURSの強み・メリット3.確実な決済を約束する不動産取引保証で安心
H’OURSでは、決済日に確実に手続きが完了することを保証しています。
万が一、確実に決済されない場合に発生した損害(上限1億円)を賠償する契約となっているので、安心です。
H’OURSの注意点・デメリット3選
次に、H’OURSの注意点・デメリットである、
- お客様との親密化を図る機会が少なくなる
- 仲介会社さんの社員が育たない
- 売主・買主共にH’OURSへの申し込みが必要
について紹介していきます。
H’OURSの注意点・デメリット1.お客様との親密化を図る機会が少なくなる
決済準備は煩雑な手続きが多く、時間が取られてしまう反面、お客様に対して自社のサービスレベルの高さをアピールする絶好の機会です。
決済手続きをアウトソースすると、その機会が少なくなります。
ただし、個人宅の売買の場合は毎回異なるお客様となるので、お客様との親密化よりも業務効率性を優先するという判断は合理的と言えます。
H’OURSの注意点・デメリット2.仲介会社さんの社員が育たない
決済・引渡し業務は、不動産売買取引において非常に需要な業務であり、仲介会社の社員はできて当然の仕事と言えます。
また、煩雑とはいえ、とてもやり甲斐のある業務です。
業務効率化の一環ではあるとはいえ、全ての決済取引をH’OURSに移行するのは、社員教育上好ましくありません。
H’OURSの注意点・デメリット3.売主・買主共にH’OURSへの申し込みが必要
H’OURSの導入で多くのメリットを享受できるのは、業務効率化を図ることのできる仲介会社と言えます。
しかしながら、H’OURSは仲介会社だけの判断で導入することはできず、必ず売主・買主双方の申込みが必要です。
特に売主としては、決済準備は仲介会社が行うものだと認識していることが多く、費用を払ってまでH’OURSを使うモチベーションは高くありません。
H’OURSの利用手数料・支払い方法
基本的には利用手数料は公開されておらず、個別案件毎に運営会社に問い合わせが必要です。
売主・買主及び仲介会社がそれぞれ利用手数料の支払いが必要ですが、売主や仲介会社が全額を支払うといったことも相談可能とされています。
静岡県本社「遠州鉄道株式会社」の不動産事業部が、H’OURSの利用手数料をホームページに記載していますので、手数料水準の参考にしてください。
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売主 |
買主 |
仲介会社 |
利用手数料 |
¥21,780(税込) |
¥21,780(税込) |
(非開示) |
仲介会社は非開示ですが、仮に同様の¥21,780(税込)であれば、全額仲介会社が負担しても過度なキャッシュアウトではない水準と言えます。
H’OURSでの取引の流れ
H’OURSでの取引の流れ、
- 売主・買主双方からサービス利用申込書提出
- 信託口座に買主から手付金入金
- 重説・契約完了後、信託口座から売主に手付金送金
- H’OURSの担当者が、金融機関・司法書士調整
- 司法書士が、売主より登記必要資料受領
- 司法書士が送金手続きを依頼し、着金確認後に決済完了
について6つのステップで説明していきます。
1.売主・買主双方からサービス利用申込書提出
売主と買主の売買合意が取れ次第、仲介会社が売主・買主双方からサービス利用申込書
を取り次ぎます。
仲介会社が必要事項をクラウドシステムにアップロードし、新規案件登録します。
2.信託口座に買主から手付金入金
契約日前日までに、(株)エスクロー・エージェント・ジャパン信託の信託口座に手付金を入金頂きます。
3.重説・契約完了後、信託口座から売主に手付金送金
契約締結でき次第、信託口座で保管していた手付金が売主に送金されます。
売主買主間での、現金の直接やり取りが発生しないため、安全に取引できます。
4.H’OURSの担当者が、金融機関・司法書士調整
契約から決済までは、H’OURSの担当者が、以下対応を行います。
- 登記依頼
- ローン実行日、決済日調整
- 残金明細書作成
- 抹消登記段取り
まさに、煩雑な業務を一手に引き受けていただけます。
5.司法書士が、売主より登記必要資料受領
担当の司法書士が売主と個別面談を実施した上で、登記書類を受領します。
本来であれば、決済日当日に売主が決済会場に持参する必要がありますが、それが不要です。
6.司法書士が送金手続きを依頼し、着金確認後に決済完了
決済日当日、司法書士が金融機関にローン実行を連絡し、全ての送金手続きが確認でき次第所有権移転登記が申請されます。
取引当事者は決済日当日、何もすることなく手続きが完了します。
H’OURSは「業務効率化し、働き方改革を推進したい会社」におすすめ!
H’OURSは、決済・引渡し業務を専門で行うプロにアウトソースすることで、仲介会社の社員の事務負担を大幅に軽減する画期的なサービスです。
社員が仲介会社の休業日に決済対応で出社するようなことも必要無くなり、負担が軽減した分、新規お客様対応に専念できます。
これからの企業には、顧客満足度向上と共に従業員満足度向上も求められる時代ですので、働き方改革を実践したい企業にもってこいのサービスとなります。
H’OURSの運営会社情報
H’OURSを扱っている会社のご紹介です。
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンの会社概要
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンの詳細情報は以下の通りです。
名称 |
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン |
本社所在地 |
東京都千代田区大手町二丁目2番1号新大手町ビル4階 |
設立年月 |
2007年4月 |
株式公開 |
東京証券取引所市場第一部(証券コード:6093) |
連結資本金 |
647百万円(2021年2月末時点) |
事業内容 |
【BPOサービス事業】 【エスクローサービス事業】 |
従業員 |
276名(連結・2021年2月末日時点) |
子会社 |
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン信託 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル4階 |
まとめ
H’OURSは、これまで不動産業界の商慣習であった決済立ち会いをあえてカットするソリューションで、決済日に一発勝負であった従来のやり方に比べても安全に取引できます。
H’OURSの3つのポイントをまとめてみました。
- 決済取引にかかる時間と費用が削減できる
- クラウドシステムで、進捗が一目瞭然
- 確実な決済を約束する不動産取引保証で安心
今後、海外投資家等の活用も期待でき、ますます成長が期待される分野ではないでしょうか。