今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、不動産市場のほぼすべての取引事例を網羅する「不動産データクラウド」を運営しているマンションリサーチ株式会社様です。

9,000万件超という国内随一のデータ量はもちろん、価格の推移や販売期間をグラフで可視化してくれるため、物件の価値を短時間で・簡単に知ることができます。

売買や買取・再販など、不動産取引に関わるすべての方にぜひチェックしていただきたいインタビューです。

業界最大級の取引事例数「不動産データクラウド」の公式サイトはこちら⇒

マンションリサーチ株式会社様へのインタビュー内容を紹介します

それでは早速、「マンションリサーチ株式会社様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。

今回は、不動産データクラウドのサービス責任者である黒野元貴様にお話しを伺いました。

Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず最初に、不動産データクラウドの概要について簡単に教えていただけますか?」

市場に出ている不動産の取引事例、売出・販売終了(成約含む)事例を網羅し、物件調査の際に「短時間で簡単に物件価値が分かる」よう、検索・閲覧ができるサービスです。

データの保有数は9,000万事例を超え、国内随一となっています。

過去事例の羅列だけではなく、同様の販売事例と思われるものをシステムで自動紐付けを行い「いつ・どの会社が販売」し「いつ・何回・いくら値下げ」をし、「最終いくらで売買されたのか」まで、時系列で可視化するのが特徴です。

それにより、時点価格で査定金額を付けることのリスク回避が可能となっています。

Q2.「次に不動産データクラウドをスタートしたきっかけ・経緯を教えてください。」

弊社では、開業当時(2010年)より一般ユーザーへマンション相場価格を公開する「マンションナビ」というウェブサイトを運営しております。

相場価格を算出するにあたっては、膨大な量の全国的な過去取引事例が必要でした。

マンションナビの公開から今日まで、過去取引事例・流通データの収集スキームを確実なものとすることで、国内どの会社よりもデータ量を保有できるようになっています。

このデータを活用・開示することで不動産会社様のお役に立てることがあるのではと思い、2019年より不動産データクラウドのβ版の提供を開始したのが始まりです。

2020年に入り、コロナ禍へ突入したことで、不動産業界にもテックサービスが増え、DX化の流れのスピードが急速に加速しています。

私達のみならず皆さまの働き方に変化が求められ、その中で不動産データクラウドの膨大な事例データをさらに現場に落とし込んだサービスとして展開することで、変化を求められ困っている方々のお役に立てるのではないかと考えました。

また、AIによる机上査定の自動化や、査定書作成のサービスなど、現場目線のサービスの開発・ご提供も本格的に開始しております。

Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。不動産データクラウドは、どういった人や企業に使ってもらいたいと考えていますか?」

過去取引事例・流通データは、不動産事業を行う上で必ず必要になってまいります。

その中でも、弊社の保有しているデータは実需の販売事例になりますので、実需の売買や買取・再販をされている業者様に有用かと考えています。

その他、事業フェーズで考えますと「独立・開業直後」や「商圏エリアを拡大する際」「事業の転換や拡大をする際」には、基礎データとしての自社実績が少ないケースが多く、競合他社が成熟している場合には、なかなか勝負していくことが難しいのではないでしょうか。

そういった際に、不動産データクラウドをご利用いただけると自社データの補填ができ、成熟した競合にも引けを取らないデータ量を確保することが可能になりますので、有用かと思います。

もちろん、大手や中小のベテラン企業様にもご活用いただけるサービスではありますが、個人的にはこの時代でスタートアップを切った「新設会社様」や、事業拡大や転換を意欲的に行っていらっしゃる「挑戦的な会社様」に、特にご利用いただきたいと考えています。

オプションサービスのラインナップとしても、人員・投資コストをあまり掛けずに業務効率化・差別化が可能なサービスを展開しておりますので、そういった意味でもスタートアップで早い成果を目指すには最適ではないでしょうか。

Q4.「競合のサービスと比較した際に、不動産データクラウドの優位性はどういったところにあるのでしょうか?」

  • 過去取引事例の保有数が国内で最大級であること
  • 「いつ・いくらで売出し開始」され、「いつ・何回値下げ」され、「最終的にいくら・何日で販売終了した」のかをグラフとして可視化(競合他サービス含め国内初)

という2点が最も大きな特徴です。

不動産会社様が時間・コストを使っても獲得が難しい、データの質と量を保有・ご提供させていただいており、「不動産価値を短時間で正しく理解」していただけるように努めています。

また、保有事例数国内最大級という基盤があるからこそのオプションサービス展開がリンクしている点も、他サービスと違う点ではないでしょうか。

その他、初期・運用費用を「無料」で始められるという点も、他サービスではあまり見受けられません。

コストを掛ける前に「必要なサービスなのか」「データの量と質」をご確認いただくこと、また、テックサービスをご利用いただくことに対してのハードルを低くすることを心がけました。

商圏エリアの範囲によっては、無料プランで運用いただけている会社様も一定数いらっしゃいます。

「お金を払っているから使い続ける」ことは普通だと思いますが、使用に制約が無い中で「無料でも使い続ける」というのは、本当にそのサービスに価値がないと難しいことだと思いますので、そういった意味でも価値のある情報を提供できていると考えています。

Q5.「すでに1,000社以上に利用されているとありますが、これまでの利用企業様からの評判や反響はいかがでしょうか?継続で利用されているユーザーも企業様も多いですか?」

2021年7月時点では1,200社様以上にご利用いただいておりまして、前述の通り無料プランで継続利用いただいている会社様に加え、有料オプションもご活用いただいている会社様も順調に増えております。

ただ、中小企業の現場目線で捉えたときに「過去取引事例(根拠事例)」の重要性がまだ浸透していないと感じることは少なくありません。

即時的に不動産会社様の売上に直結するサービスと比べ、ご理解いただくのにひと手間・ふた手間必要だと感じることは多いですね。

逆に、根拠事例の数と質が重要と考えていらっしゃる会社様は深く・長くご利用いただけることが多いです。

Q6.「月額5,000円から機能追加を実施することもできるようなのですが、これまで実際に導入されている企業様はいますか?具体的にどういった用途で活用されていますか?」

オプションサービスとしては、「AIロボによる自動売却査定・査定書作成」や「AIロボによる最適仕入れ査定・リスク判断」が需要としては多いです。

前述サービスは、初期対応の業務効率化と差別化が分かりやすく、イメージができるという点でご契約が増えています。

その他サービスでも、現場で「ここの部分で困っている」というスポットでのお悩みに、低単価で解決できるサービスを展開しております。

テックサービスで業務すべてを改革するということではなく、「業者様の働き方をベースに」テックを要所でご活用いただき、効果を高めるお手伝いができることを心がけて開発を続けています。

Q7.「不動産データクラウドを利用し始める際、ITに詳しくない人でも問題なく利用できるのでしょうか?」

詳しくない方でもすぐに使えて理解できるサービスです。

弊社代表をはじめ、社内メンバーの約半数が不動産畑の出身ということもありまして、「現場の人間でも使いやすいサービス」を意識できているかと思います。

むしろ、業者間サイトなどの一般的にご利用いただいているサービスは、インターフェース(使いやすさ)をあまり考慮されていないことが多いため、そういった意味ではかなり使いやすいサービスではないでしょうか。

Q8.「不動産データクラウドとして、今後追加していきたい機能やサービスはありますか?」

いくつか検討しているサービスがあります。

まず、売買仲介メインの会社様は「自動査定+査定書作成」の需要が多いのですが、現状マンションのみの対応となっているため、10月には土地・一戸建ての自動査定と査定書作成機能をリリース予定です。

また、買取事業がメインの会社様にご利用いただく機会が増えておりますので、買取の会社様への新サービスも企画しております。

その他、β版をリリースしているマーケティングオートメーションサービスの正式版や、新規出店の際に有用なマーケット情報の提供サービス等、続々開発とリリースを予定していますので、楽しみにしていてください。

Q9.「これからさらに不動産データクラウドの利用者を増やしていくにあたって、どういった点が課題であるとお考えでしょうか?」

リモートワークや非対面形式の商談が増えたことで、テックサービスの需要は増えていますが、働き方や意識は簡単に変わるものではないと実感しています。

また、業界として、テックサービスの導入ハードルが高い印象がありますね。

私どもとしては、データクラウドで不動産業界をどうのこうのというよりは、時代の変化の中で不動産業界に携わる方たちの要所でお役に立てる、実務目線を意識したサービスを開発・ご提供していくということを意識しています。

Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」

不動産データクラウドは、サービスとしてはまだまだ若いですが、運営会社としての「不動産実務の知識・経験」や「マンションナビはじめ、他サービスのノウハウ・信頼性」が基盤としてあるからこそ、半年余りで1,000社様以上にご利用いただけているサービスとなっています。

ご提供から1年では、データクラウドの基礎データをどう見せて・ご提供すれば有用かという点にスポットを当て、基礎・基盤に比重を置いて運営させていただきました。

9月よりサービス提供から2年目に突入し、不動産実務・現場の課題に対するアンサーサービスを積極的にご提供できるよう準備を進めております。

先着順ではありますが、現状無料プランでのお申込みも受け付けておりますので、「自社実績・根拠事例にご不安がある」「大手に負けないデータベースを駆使したい」とお考えの会社さまは、お申込みまたはお気軽にお問い合わせいただければと思います。

マンションリサーチ株式会社の会社情報

会社名 マンションリサーチ株式会社
所在地 東京都千代田区九段北1丁目2番11号 エイム東京九段ビル3階
代表取締役社長 山田 敏碁
公式サイトURL https://mansionresearch.co.jp/

最後に

今回は、「不動産データクラウド」を提供しているマンションリサーチ株式会社様のインタビュー記事を紹介しました。

コロナ禍も含めた時代の変化に柔軟に対応しながら、実務目線でのサービスを提供し続ける姿勢がとても印象に残りました。

今後のリリース予定も目白押しで、非常に楽しみですね。

今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクから不動産データクラウドの公式サイトをチェックしてみてください。

不動産データクラウドの公式サイトはこちら⇒

不動産データクラウド公開のきっかけとなった、「マンションナビ」に関するインタビューもぜひご覧ください。

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マンションリサーチ株式会社様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!