今回インタビューをさせていただいたのは、不動産テックサービス「プロパティコンシェルジュ」を運営している株式会社PID様です。

プロパティコンシェルジュは、賃貸不動産のオーナーと入居者のやり取りの手間を大幅に削減するコンシェルジュサービス。

「廊下の電球が切れている」「ゴミ出しの曜日や、分別方法について知りたい」

従来であれば、入居者からの問い合わせに対して、つど管理会社や大家さんが対応する必要がありました。

プロパティコンシェルジュを活用すれば、チャットボットが自動で24時間365日対応してくれるため、人件費や手間を大幅に削減することができます。

しかも、記事執筆時点で16もの言語に対応しており、外国人入居者の対応もスムーズになる点が大きなメリットです。

今回の記事では、不動産テックラボ編集部で事前に質問を用意させていただき、「株式会社PID様」にインタビューをさせていただきました。

不動産管理会社の方や、不動産オーナーの方はぜひ参考にしてみてください。

株式会社PID様へのインタビュー内容を紹介

今回、株式会社PID様にプロパティコンシェルジュについての10の質問をさせていただきました。

プロパティコンシェルジュをスタートするに至ったきっかけ・経緯や、今後の展望についてもお伺いしたので、不動産管理に関わる人は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

Q1.「プロパティコンシェルジュのサービス概要について簡単に教えてください。」

PROPERTY CONCIERGE(プロパティコンシェルジュ)」は、賃貸物件で暮らす住居者様や施設の利用者様のあらゆる「困った」を、管理会社に代わって解決に導くAIコミュニケーションサービスです。

入居者から「鍵をなくした」「更新時期について知りたい」といった問い合わせがあれば、多言語AIチャットボットが24時間365日、自動で対応します。

営業時間外や定休日であっても問題ありません。

ボタン一つで「ロボットモード」から「マニュアルモード」に切り替え、担当者が自ら入力して、マニュアルチャットで対応することもできます。

Q2.「プロパティコンシェルジュをスタートしたきっかけ・経緯は何ですか?」

大手会計事務所を辞めて、MBA取得のためにアメリカへ留学したことがきっかけです。

日本人向けではない地元の管理会社に直接交渉し、賃貸物件を契約したのですが、そこでトラブルが発生しました。

私が契約したのは、新築でファニッシュド アパートメント“furnished apartment”と呼ばれる家具付きの物件でした。

1カ月後に入居する段階で、洗濯機と乾燥機が設置されるという説明を受けたのですが、いざ入居すると、洗濯機と乾燥機が設置工事の途中で放置されていました。

管理会社に連絡すると、「管理会社では分からないのでデベロッパーに連絡して欲しい」、デベロッパーに連絡すると「メーカーが設置しているからメーカーに連絡して欲しい」と、たらい回しの対応でした。

留学したばかりで、あまり英語が話せないなかで、コミュニケーションにも非常に苦労しました。

結局、業者が設置してくれたのですが、1カ月半ほどかかり、寒い季節でのコインランドリー生活も学校行きながらのトラブル対応をし続けるのも辛かった。

こんなトラブルを経験しなければ、賃貸管理に疑問を持つことも無かったのですが…スムーズに行かなかったときのしんどさが分かりました。

転じれば、これから外国人が増えていく日本でも同じようなトラブルがあるかもしれない、と考えたことがそもそものきっかけですね。

Q3.「競合・類似サービスと比較した際の独自性などがあれば教えてください。」

弊社の「PROPERTY CONCIERGE」は、ただのお問い合わせのツールではなく、物件管理や施設管理など、専門性の有するAIコミュニケーションサービスである点に独自性があります。

また、他社サービスを見てみると、日本語に特化したものがほとんどですが、弊社のサービスは16言語に対応しているので、日本だけでなく外国のお客様にもご利用いただけるボーダーレスなサービスになっています。

Q4.「プロパティコンシェルジュを利用することで、どういった課題を解決できますか?」

一部の管理組合では外国人への入居を抑制したいと思っている一方で、政府方針ではさらなる在留外国人の受け入れを始めるなど、認識の矛盾が生まれています。

今後もトラブルは増えるはず。では、なぜトラブルを解決できないのか。

その大部分は相互の共通認識の問題であり、多言語コミュニケーションの問題と言い換えられます。

特に日本人は語学が苦手な人が多い。解決する1つの方法が「PROPERTY CONCIERGE」です。

分譲マンションや賃貸業界において、管理の効率化はこれからの課題です。

そのなかには、これから増えていく外国人居住者との言語問題の解決も含まれています。

Q5.「プロパティコンシェルジュをどういった人に使って欲しいと考えていますか?」

今や、訪日外国人の数もかなり増えましたが、自治体や企業様の中には、まだまだコストや人手不足などの問題で、言語対応に苦しんでいらっしゃるケースが見受けられます。

PROPERTY CONCIERGE」は、そういった言語の壁を取り除き、誰もが適切な言語で適切な情報を得られるようにするために生まれたサービスなので、日本に住むあらゆる方々にお使い頂きたいです。

Q6.「今後の資産のプロパティコンシェルジュの展望など、イメージがあれば教えてください。」

現在「PROPERTY CONCIERGE」は、AIコミュニケーションサービスという形でサービスをご提供しておりますが、今後は建物そのものに人工知能を搭載し、人工知能同士を連結させ、人が建物に話しかけると答えを返すといったサービスを実現したいと考えています。

Q7.「株式会社PIDの社内にはどういった経歴の社員さんが在籍していますか?」

弊社は、「PROPERTY CONCIERGE」をはじめとした多言語対応に焦点を当てたプロダクト開発を行っており、その開発メンバーには、日本人3名、中国人2名、クオーター1名など、国際性豊かなメンバーが揃っています。

管理部門では、2児のお子さんを持つ主婦さんや、20代の若い年代層の社員が大活躍しています。

トリリンガルのインターン生等、様々なバックグラウンドをもつ、ダイバーシティーな雰囲気の経歴をもつ社員が多数在籍しています。

Q8.「株式会社PIDとしての将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」

PIDのビジョンは、「住むことの情報格差のない世界」の実現です。今や、スマホ一つで誰でも簡単に情報を入手できる時代となりました。

しかし、私たちが普段気づかないところに情報格差があります。

その一つに、国籍の違いがあります。

今では、日本に住む外国籍の方が増えましたが、日本とは異なる生活習慣の中で育ってきた方々にとって、日本でのごみの捨て方や共同スペースの使い方など、生活に関わる情報を入手するのは困難です。

もちろん、情報格差は日本人の中にもあります。

周辺の情報を管理会社が発信することで、住民と管理者会社のコミュニケーションが柔らかくなり住環境の雰囲気も良くなる。

そういった地域そのものをIT化することで、不動産テックではなく、造語になりますが都市テックになれるかと思っています。

出来るだけ、日本のスマートシティーの発展に貢献できるようなサービスにしたいと思っています。

Q9.「不動産テック業界の将来性についての見解があれば教えてください。」

現在、各地方自治体などが日本のスマートシティー化を進めており、その国内のスマートシティー事業の市場規模は、2018年では4623億円とされていたものが、2022年には9964億円にまでのぼると言われています。10年、20年と業界は伸び続けると思います。

我々のような、住宅管理専門の不動産ITサービス以外にも全ての不動産領域でITは浸透していきます。

最初、不動産テック業界は伸び続けると思いますが、その後はその言葉自体が使われない位日常に溶け込むと思います。

Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」

GAFAの不動産テック版「ZORC」も米国初なので、興味のある方は日本発の「ZORC」を作れるように不動産テック業界を盛り上げていきましょう。

株式会社PIDの会社情報

会社名 株式会社PID
所在地 〒105-0004
東京都港区新橋3丁目16-12第一横山ビル2階
設立 2017年7月6日
代表取締役社長 嶋田 史郎
資本金 3,292万円
従業員数 14名
公式サイトURL https://pid-corp.jp/

最後に

今回は、多言語かつ自動応答で問い合わせに対応してくれる便利なサービス「プロパティコンシェルジュ」を運営している株式会社PID様のインタビュー記事を紹介しました。

これから国内の外国人がどんどん増えて行く中で、ますます外国人入居者とのコミュニケーションコストは大きくなっていくはずです。

言語の壁を気にせず、かつ自動で応答してくれるプロパティコンシェルジュの導入することは、コストを削減することだけでなく、入居者の満足度を高めることにもつながるのではないでしょうか?

興味を持たれた方は、ぜひプロパティコンシェルジュの公式サイトをチェックしてみてください。