今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、マンション管理を効率化するアプリ「トクミン」を運営している株式会社リアークスファインド様です。

定例の理事会やトラブル対応などを包括的に支援するサービスで、住民同士のコミュニティを支援することも目指しています。

マンション管理にお悩みのすべての方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。

マンションの管理をDXする「トクミン」の公式サイトはこちら⇒

株式会社リアークスファインド様へのインタビュー内容を紹介します

それでは早速、「株式会社リアークスファインド様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。

Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、トクミンの概要について、簡単に教えていただけますでしょうか?」

トクミンは「マンション管理をてのひらで」をキャッチコピーに、マンションの管理に関する煩わしい手続きなどを効率化するサービスです。

不動産管理というと、賃貸管理(PM)と呼ばれる家賃集金などの大家さん向けのものをイメージされることが多いですが、トクミンはそちらとは別ジャンルの、マンション管理を対象としたもので、マンション所有者による理事会や総会の運営、マンション設備の管理や日常のトラブルサポートなど、管理人が行う業務の分野になります。

これらの分野はIT化が遅れており、マンションの種類によって必要な業務が異なるため、デファクトスタンダードとなっているサービスが市場ではまだ存在しません。

トクミンは、マンション管理分野でのデファクトスタンダードの獲得を目指して立ち上げたサービスです。

コンセプトは「住民同士のコミュニティ形成を支援する」としており、「隣に住んでいる人の顔もわからない」といわれる昨今の日本の住環境、特にマンションでの住環境の中で、「住民同士のコミュニケーションが取れ、コミュニティが自然と形成されることを支援する」ということを目指しています。

具体的には、国や都とも連携を取りながら、管理不全に陥ったマンションの組合再生を支援することも水面下で進行中です。

トクミンというのは全体のブランド名で、現在はマンション管理アプリである「トクミンARCH」が中心ですが、このコンセプトをもとに様々なサービスの展開も予定しています。

例えば、近隣住民同士のコミュニティ形成を支援する地域連携WEBサービスは現在ベータテスト中です。

Q2.「次にトクミンをスタートしたきっかけ・経緯を教えていただけますか?」

代表の大人(おおひと)の創業時の想いが元になっています。

鹿児島の7人兄弟の家族に生まれた大人は、家庭・地域の密なコミュニティの中で育ちました。

現代の日本で徐々にこの地域コミュニティという空気が失われつつあることを嘆き、「コミュニティ形成を支援する事業を起こそう」という想いで起業をしました。

その想いを形にしたのがマンション管理事業です。

マンション管理事業は、大手開発会社の系列会社がそのまま管理の契約をしたままのものが大半で、あまり競争が進んでいない領域です。

また住民自体が興味を持っていないことも多く、非効率的なサービスが行われていることも少なくありません。

そのため、この領域に進出を考えていました。

ですが、管理はすぐに利益が出るサービスではないので、起業直後から進出することは困難です。

そのため、最初は仲介や買取再販など、売買取引を中心とした不動産業としてスタートしました。

おかげさまで社業が順調に進み、リノベーションを中心に買取再販や仲介や自社開発など総合不動産会社として成長し、社員も100名近くまで増え、IPOも視野に入るようになりました。

企業体力が蓄積され、満を持して管理事業へ参入。

そしてIT化の遅れた不動産業の中でも特に遅れているとされるマンション管理においてDXを進めるべく、サービスを自社開発し、トクミン事業をスタートいたしました。

©︎Ana Scripcariu-Ochiai 《KOTOHOGI》2018

Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。競合サービスと比較した際のトクミンの強み・優位性を教えてください。」

実際にマンション管理を行っている不動産会社が直接開発し、実務を知り尽くした上で提供するサービスという点です。

ITツールが肝になっていますが、管理する社員による人的サポートと合わせてのトータルサポートになるため、実際の現場で、痒い所に手が届くというのが一番の強みです。

現在、「不動産管理ツール」として世に出ているサービスは、賃貸管理(俗にいうPM)のものが大半で、これらは先ほど申し上げた通り「競合ではなくまったく別ジャンル」となります(※投資用不動産などで賃貸管理のサービスも同時提供するケースもあるため、トクミンでも賃貸管理の機能も一部は備えています)。

マンション管理のITサービスは、各管理会社が一度は作ってみたことがあるようで、探すとたくさん出てきますが、どれも活用は少ないようで現在積極的に使われているものはほとんどなく、デファクトスタンダードのサービスはないと認識しています。

また、不動産業以外からの参入で、IT側からのアプローチの場合、不動産特有の宅建業法やその他管理の諸法令との適合や、現場の生々しい事案への経験が不十分なように感じます。

一部の機能、例えば「管理組合の会計回り」や「総会理事会議事関係」に特化というものが多いですが、トクミンの場合は「不動産会社で実務を行っている者の開発」のため、総合的に対応できます。

「共有部の設備」や「各種点検」、「日常のごみ清掃」や「クレームトラブル対応」に至るまで、泥臭く総合的な対応とITによる効率対応を兼ね備えている所が特徴です。

Q4.「マンション管理をDXするとあります。具体的にどのような作業や機能がオンラインで完結できますか?」 

細かく書くときりがありませんが

  • 総会の招集、運営、書類保管等
  • 理事会の招集、運営、書類保管等、理事同士のコミュニケーション
  • 組合の会計関連、情報の透明性担保
  • 駐車場駐輪場等の申し込みや照会
  • 水道や鍵当困りごとの依頼
  • 周辺サービスの情報提供や住民間コミュニケーション
  • 日常の管理人への依頼関連等
  • 管理会社や管理人が管理実務を行うための諸機能
  • 掲示板などをアプリ上で行う情報共有機能
  • マンション管理に関連するスケジュールを一覧化し共有する機能

などが挙げられます。

実需区分所有マンション向けを中心にしているため、上記がメインとなりますが、投資マンションや一棟オーナーなど様々な形態にも対応しているため、PM的な機能も付いています。

Q5.「他社の管理会社から乗り換えた事例があれば、特にどのようなサービスが好評か教えてください。」

「管理人が不在の時間にいつでも問い合わせができる」、特に駐車場や駐輪場の申し込みなど「『緊急トラブルでない』ものも気軽にアプリで24時間問い合わせできる」というのは好評です。

「高齢の方にはITツールは受け容れられないのでは?」という懸念は社内でも当初ありましたが、最近は高齢の方もスマホをお持ちの方も少なくなく、直観的に操作できるということでご好評いただいております。

総会や理事会関連は、住民の方が興味自体ないケースが多いため、特にコメントはいただかないですが、投票をWEBで完結できるためスムーズに進んでおり、運営側は非常に楽になっています。

Q6.「デジタルが苦手な人でも直感的に使えるインターフェースでしょうか?サポート体制もあれば教えてください。」

なるべく直感的に使えるよう心がけており、住民の方からの反応も概ね好評です。

ITサービスのみでの完結でなく、人によるサポートとセットでのサービス提供ですので、デジタルが苦手な方には当社のフロント担当がサポートしており、サービス全体としては安心できる体制を整えました。

また、ネイティブアプリで自社開発のため、フィードバックを受けながら都度バージョンアップを重ねているため、分かりにくいと指摘があった場合は都度修正され洗練されています。

マンション管理というと、難しく堅苦しいイメージがありますが、利用者が気軽にそして愛着を持ってトクミンを使っていただけるよう、オリジナルキャラクターを登場させることで親しみを持っていただければと考えています。

動物をモチーフにした「トクミンの森」に住む住民たち、というコンセプトです。

Q7.「月に数万円単位でコストを削減することは可能でしょうか?なぜコスト削減ができるのかも教えてください。」

こちらは「ケースによる」としか言えず、必ずいくら下がるとは断言できません。

ITの力で無駄を削減することで、コストを削減するのがコンセプトです。

例えば、「マンションを建てたデベロッパーの系列の管理会社がそのまま管理の契約をしていて、一度も見直しされていない」ですとか、「たまった修繕積立金を狙って、安い値段で契約し、大規模修繕を息のかかった業者に流してリベートで儲ける大手独立系管理会社」などで契約されている場合、大きなコスト削減が可能になります。

また、管理会社との契約が切れて自主管理となり、うまく運営ができていないマンションの場合、自主管理支援のツールとしても活用できるので、割安に適切な管理を行うことができます。

現状の管理が適正かどうか気になる方は、お気軽にご相談いただければと思います!

Q8.「トラブル対応や補修履歴もアプリに残りますか?また契約なども含めてモバイルで大半の業務はできますか?」

トラブル対応も含めた各種問い合わせと回答の履歴はアプリに残ります。

こちらは親しみやすいチャット形式になっていますので、どなたでも気軽にご相談いただけます。

管理組合としてのマンション全体の記録も、当然アプリですべて確認可能です。

「契約」というご質問は、おそらく賃貸管理のようなものをイメージされているかと思いますが、トクミンは「マンション管理」のジャンルのため、「契約」というケース自体が発生する場面は、現状想定されていません。

なお、当社は会社としてはIT重説対応済みで、アプリのセキュリティや認証機能も整備されています。

そのため、仮に機能拡張により「契約」という場面が発生することになった場合は、もちろんアプリ上での完結が可能です。

Q9.「株式会社リアークスファインドとしての、将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」

リアークスファインドは、「私たちは人と不動産のかけ橋となり 豊かな人生へ貢献します」を企業理念として掲げています。

不動産を通して豊かな人生に貢献したい、という想いから、特に地域コミュニティの形成に貢献していきたいと考え、トクミン事業もそれを軸に進めていきます。

事業としては管理を軸として不動産に関わる各種サービスを一気通貫で提供し、各分野がシナジーを生む生態系を構築していく戦略です。

そのため、総合不動産会社としてリノベーションや自社開発を中心に不動産の各分野での専門性を高め、高品質なサービスを提供していくことを目指しています。

また、不動産はIT化が遅れている分野あり、業界自体のIT化、不動産テックの推進にも貢献できればと考えています。

こうしたことを進めていった先に、結果として上場ができればと考え、準備を進めている最中です。

また、当社では社員の成長に重きを置き、成長意欲の高い人材を採用基準としているほか、能力と意欲があるものの発揮する「場」が無い方を積極的に採用しています。

社員みんなの成長が、会社の成長になると思っています。

Q10. 最後にインタビュー記事の読者について、一言お願いします!

このたびは、「トクミン」にご興味をいただきありがとうございます。

私は7人兄弟の4番目として生まれ育ち、家族、そして兄弟姉妹の大切さを知り、周りの人に支えられ生きていることに感謝して日々を過ごしています。

それは、住み暮らす地域や働く会社でも全く同じです。

コミュニティへのかけ橋となる存在として、不動産を通じてますます発展していきたいと考えております。

とはいえ、まだまだベンチャー企業として、チャレンジ精神を忘れるわけにはいきません。

理想や構想を好き放題言う事ができますが、やはり大切なのは行動から生まれる価値だと考えています。

「トクミン」もまだまだ成長の余地がある「これから」の事業です。

皆様からのご意見を真摯に受け止め、誠実に対応し、社会にとって必要となるサービスを目指して参ります。

また、すべてを自社のみで行うのではなく、様々なパートナーシップを構築し、事業を展開していこうと考えていますので、協業できる可能性がある方はぜひお問い合わせください。

引き続きSDGsゴールターゲット11の「住み続けられるまちづくりを」を目指し、マンションを起点とした地域のコミュニティ活動を支援していきますのでご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

株式会社リアークスファインドの会社情報

会社名 株式会社リアークスファインド
所在地 東京都新宿区西新宿七丁目7番30号 小田急西新宿 O-PLACE 6F
代表取締役社長 大人 慶太
公式サイトURL https://www.rearx-find.co.jp/

最後に

今回は、「トクミン」を提供している株式会社リアークスファインド様のインタビュー記事を紹介しました。

不動産事業でのノウハウと企業体力を蓄積して、満を持してリリースされたサービスということで、代表の大人様の熱い想いが伝わってきました。

マンション管理アプリとは思えない、かわいらしいキャラクターとデザインも印象的ですね。

今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからトクミンの公式サイトをチェックしてみてください。

トクミンの公式サイトはこちら⇒

株式会社リアークスファインド様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!